先日、ミヅマアートギャラリーにて「会田誠展:もう俺には何も期待するな」を開催した会田誠さんを取材しました。

2012年〜2013年にかけて、森美術館で開催された「会田誠展:天才でごめんなさい」には49万人も動員し、いまや日本を代表する現代美術家と評されています。

そんな会田さんですが、実際にその事についてお話をきくと、

「アートにおいて邪道である自分が人気がある事は、日本のアート界の嘆かわしい現実。芸術家を目指す若い人たちは、あくまで、会田誠を目指すべきではない」と言い切ってしまわれました。

一方で「現場は我々の最後の砦ですから、そこは譲れない」という生粋の美術家魂も持ち合わせています。

“何かを断言する事が苦手で、専門家になる事を嫌う。

常に自分が「何者」かになろうとする事を避ける。

空虚であればあるほど力を発揮できる。”

と常にオルタナティブな態度を貫く会田さん。

20年以上前から、日本の現代美術界にカンフル剤を投入し続けた氏は、

果たして、自身が言うように本当に日本のアート界における「悪役」であったのか。
そして、今でもその「毒」は氏の体内に回っているのか。

はたまた、現代美術界の「時代を切り開く素晴らしい先駆者」であったのか。

「邪道」の生き様と、そのアート論をうかがってきました。

会田誠(あいだ まこと)

絵画のみならず、写真、立体、パフォーマンス、インスタレーション、小説、漫画、都市計画を手掛けるなど表現領域は国内外多岐にわたる。

1965 新潟県生まれ
1989 東京藝術大学美術学部絵画油画専攻卒業
1991 東京藝術大学大学院美術研究科修了(油画技法・材料研究室)

自分はいわゆる「邪道」でいい

ーー以前、森美術館で開催された「会田誠展:天才でごめんなさい」では約49万人の来館者数があったということでしたが…。



会田 森美術館という所はどんな展示をやっても、何十万人かは集まるような事になっているので、結局49万人のうち僕の力でよんだのは、20〜30%くらいなもんで。デートとか、中高年の東京観光に使われるような場所ですし。

ただ、その30%のうちの10%が、仕組んだ訳ではないですがネット上での「炎上」とやらが関係しているわけでして。

「スキャンダル好き」な人が大勢来た…ということでしょうかね。

そうなってくると、正味、僕の美術家としての価値で呼んだというのは20%くらいですよ。

ーーとはいえ、仮に20%とはいえ、何十万人単位で人を呼べるということは、ものすごく「人気者」であると思うんです。

その人気というのは、意図して成ろうとした結果なのでしょうか。

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会田 仮に僕が「人気者」であるとしたら、それは日本のアート界の嘆かわしい現実でしょうね。

僕がデビューしてから、もともと決めていた方針として、自分はいわゆる「邪道」でいいという。

現代アートというものには、ある種の専門性が伴っている「本流」があって、そういう作品に関しては、そのアートに対して勉強しないと理解できないという、難しいものになっていると思います。

それを認識した上で、こちらは「日本人向け」「庶民向け」のアーティストをやろうと考え、敷居をぐっと低くした訳です。

アート界の人からはリスペクトされない代わりに、アートと普段接点の無い方々にもアクセスしやすいようなヤツになろうとしました。

自分の展覧会にたくさん人が来てくれるのは嬉しいことですけれど、それとは別に「本流」のアートの展示にも、もっと多くのお客様が入れば良いと思っていますよ。

ーーあまり派手では無い所にもスポットが当たってほしいと。

会田 真面目で地道なアーティストが沢山いるなかで、僕みたいな軽薄なアーティストの方が来場者数が多いからって、胸を張って「勝った!」とは思えないんですよね。

これは「アート」という世界だからってこともあるんでしょうけどね。

仮に「お笑い芸人」とかの尺度で計るとしたら、客が他よりも沢山入れば、それは勝ちということになるでしょうけどね。「アート」のルールはまた別です。

これから芸術家を目指す若い人たちは、あくまで「会田誠」を目指すべきではないと思いますよ。

目指しても良いけど、あくまで僕は「邪道」であるという事を認識した方がいいでしょうね。

プロレスでいうと「ヒール(悪役)」、反則技を使っているようなもんですから。

ーー藤波に対する長州力のような。

会田 えぇ。

「時代を切り開く」という役目はもう終わっている 。そういうのはもっと若いのがやるべきで。

ーー今、会田さんは、自らの事を「庶民向け」と表現されました。ただ今回の展示、「会田誠展:もう俺には何も期待するな」というタイトルだけ見ると、それとは対比的ともとらえられるような感じなのですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。

会田 まず、近年ますますその傾向が強くなっているんですが、僕の展覧会のタイトルはほぼナンセンスです。

ーーえっ、そうなんですか。

会田 ええ、何かを読み取ろうとする必要は無く、その時の僕の気分を表したような物ですから。

ーーでは、今回はどのような気分だったんでしょうかね。

会田 言ってみれば、会田誠というもう48歳になるアーティストは、「日本の美術界を牽引」するとか、「新たな時代のページを切り開く」とか、そういう役割はもう基本的には終わっている、と。

その役目を48にもなるヤツがやっていたら業界全体が不健全なわけです。そういうのはもっと若いのがやるべきでして…。

僕が美術界の状況を少しは変えていったのも、20代後半〜30代前半の頃だったと思いますし、その頃には人を怒らせたり、びっくりさせるような技法をつかったりして、業界に対する「ショック療法」を意図的に行ったような時期もありました。

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大体、この前の森美術館でクレームが来たような作品も、その頃の「若気のいたり」で作ったような、当時の年相応の役割でやったようなものが挙げられているわけです。

それが、今回の展示(会田誠展:もう俺には何も期待するな)の映像《土人@男木島》みたいに、腑抜けて「もや〜っ」とした中途半端なエンターテイメントを作るのは、中年の心のコンディションを自然に利用したらこうなったわけで。

僕を長い間見てくれたファンからしたら「昔はピリっとしていたのに今はぬるくなった」といわれても、それは「そういうもんだ」と言う事です。

とはいえ、アーティストは、アスリートと違って選手生命は長いとも思っています。100歳越えても富士山を描けるというのも美術家なんで。

爺さんになってもやるつもりでいるんですけど、「時代を切り開く」という役目はもう終わっているということですね。

寂しいとも思わないですし。

ーーでは、あえていうならば、今回の展覧会名は、若い世代のアーティストへのバトンタッチという意味合いもあるということでしょうか。

会田 まぁそう。そのままの意味ですね。

会田さんのサイン本と、サイン入りCD(!)をプレゼントします。

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インタビューをさせて頂いた会田さんの、

図録 「会田誠:天才でごめんなさい」。

エッセイ集「美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石で出来ていないのか。」

カバー絵を担当された岡村靖幸さんのCDにサインを入れて頂いたもの。

三点をプレゼントさせて頂きます。

会田さんは視覚芸術としての作品はもちろん、エッセイ集「美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石で出来ていないのか。」については、文筆家としても、本当に度肝を抜かれる仕事をする方だなぁ。という事を感じさせられます。

この機会に是非お申し込み下さい!

連載の第一回と第三回の最後にキーワードを発表いたします。

このキーワードが応募の鍵になりますので、メモしておいてくださいね。

第一回目のキーワードは「現場は、」です。

それではまた来週お会いしましょう!

<第一回 終>

第二回 記事はこちら>http://artyours.jp/news/674/