「おもてなし」

去年、2020年のオリンピックを日本へ招致する決め手となった言葉といっても過言ではないこの単語。
2013年の流行語にもなり、日常的に「おもてなし」が口にされるようになっています。


「おもてなし」が他国のサービスと違うのは、「気が利く」ことを「見返りなく」する行為だと思います。


例えば、日本のいわゆる普通の居酒屋に入ると「いらっしゃいませ」とともに熱々のお手拭きは出てきますし、食事の中でのお茶は気づくと手元に振る舞われている。
それにたいして「チップ」を要求される事はまずありません。



日本社会に浸透している「相手のことを慮る気持ちを無償で行う」事。
この「おもてなし」の精神は大変すばらしいと思います。


ただ、この前、海外を拠点に活動されているアーティスト柏原由佳さん※1の方の話を聞いたときに、「日本人の気遣いの程度」について疑問を抱いてしまいました。


柏原さんは、日本の美大を卒業後、ドイツの美術大学に入り直して絵画を学ばれたそうなのですが、入学時に必要だった道具は、


「卵パックのケース」
「牛乳びん」
「12色の絵の具」


ざっくり言うとこれだけあれば十分と先生に告げられたそうです。


卵パックは、「パレット」に。
牛乳びんは「塗料の溶剤入れ」に。
そして「12色の絵の具」があれば、それ以外の色は全部混ぜて作る事ができると教わった。
そもそもドイツでは最初から絵の具の種類を豊富に扱っているお店自体が少ないそうです。


これが日本では、作品につかうパレットから絵の具までいろいろな用途に合わせてたくさんの種類がお店に用意されている。
さらに絵の具の色だけでも本当に数えきれない種類がある。
その中で自分が使いたいものや、色を選べる形になっている。



ここで話題にあがったのが、果たしてどちらが「創造の余地」があるかという事です。


日本の例のように様々な種類の絵の具から、自分の気に入った色を選ぶというのは、あくまで「メーカー側が作った」ものを選んでいるのであり、それをそのまま使う事は結局「選ばされている」事になります。


それに比べてドイツでは同じような色でも、何色か自分で混ぜて色を作る「自分で作った」ものであり、その色自体が作家を表す事にもつながります。
そこには自らの解釈を自由に表現する余地があります。



日本人は市場ニーズを先読みして商品を展開するのが本当に上手いと感じる一方で、ユーザーから、この「創造の余地」を奪ってしまっていることも場合によってはあるのではないでしょうか。


「おもてなし」で培ってきたユーザーニーズへの先読み精神は、「過保護」という側面も持ち合わせている。

美術に限らず、教育の質は「自由」と「自立」をはき違えない事に起因するのかもしれません。

oasis_sk

『ARTYOURS』のウェブ担当。
現在は、制作会社のデザイン課長。


大学ではスケボーをしながら表千家茶の湯同好会に所属。さらに学芸員の資格を取得するというやりたい事はとりあえずやってみる主義。

生サムギョプサルなるものが気になります。

※1 柏原由佳 |

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