「デザイナー」と「アーティスト」の違いは?

という質問を先日、本サイトのアンケートよりお受けいたしました。

僕自身、一応会社での肩書きが「デザイナー」という事になっていますので、今までインタビューで会ってきた「アーティスト」との経験も踏まえて僭越ながら答えさせていただこうと思います。

私が考える両者の違いは、

「クライアント(お客様)メインか。それとも制作者メインか。」

という点だと思います。

私が日々デザイナーとして働いていく中で、「クライアント」無き作業は発生していません。

どんな仕事でもまずは、「誰のためにこの仕事を行うのか」という点を考えながら作業しています。
逆にそこを忘れてしまうと、お客様の思い描いていた物と違う物が出来上がってしまい、「納品」はいつまでたってもできません。

あくまで作る物は「クライアント」の希望をもとに作る。
クライアントが見たかった物や、実現させたかった形を代わりに私たちが作ってあげる。
そして、その作品を使ってお客様の「利益」を生み出すことをしています。


対する「アーティスト」の方々から良くお伺いする言葉は、

「自分がやりたい事をやっていてお金をもらっているわけですから…」

という事です。

彼らの作品は、あくまで彼らの「創作意欲」から作られている物です。
そして彼らはその作品を通して自分が世の中にとってどういうポジションにいるのかを手探りで確かめているような感覚を受けます。

その対象は、「自分の内面」や「素材そのもの」または「技の追求」であったり「世の出来事」であったりと様々です。

もちろん、「アーティスト」がクライアントありきの作品を作らない訳ではありませんが、結局、そうやって依頼された作品にしたって「らしさ」が強く出ている。(わざとの場合もありますが。)

先日、テレビで「アンディ・ウォーホル」の特集が組まれていまして、その作品の中で「注文肖像画」というものが紹介されていました。

アーティストであるウォーホル自身が、注文者の肖像画を彼なりのエッセンスを加えて作成するといったものです。
当時のセレブリティはこぞって彼にこの注文肖像画を発注し、それを世に発表する事で、さらにその肖像画を描いてもらうという事に対する付加価値があがっていく。

これはあくまで一例ですが、そうやってアーティスト自身の「らしさ」が、価値につながっていくという事が、特に日本のアートシーンでは大いににあると思います。

これに比べるとデザイナーは制作者として名前が出る事はそんなに多くはありません。
主役はあくまで「クライアント」であり、その作品の権利は「クライアント」に帰属するものが多いからです。

そんな中でデザイナーの楽しみというのは、「広がり」という物だと思います。
手前味噌になってしまうのですが、先日も、弊社のデザイナーが某メーカーのお菓子のパッケージのイラストを担当させていただいたのですが、それが近くのコンビニに並べられていたり、TVのCMに出ていたり、あわよくば大ヒットという事になると、内心嬉しい気持ちになったりもします。


縁の下の力持ちの「デザイナー」。
自らがカリスマとなる「アーティスト」。


ただ一つ、はっきりしているのは、どちらの職業も「免許」がある仕事ではありませんので、
誰でも名乗れば今日からなれる。というモノなんです。

結局は自分次第と言う事ですね。

oasis_sk

『ARTYOURS』のウェブ担当。
現在は、制作会社のデザイン課長。


大学ではスケボーをしながら表千家茶の湯同好会に所属。さらに学芸員の資格を取得するというやりたい事はとりあえずやってみる主義。

生サムギョプサルなるものが気になります。