パソコンの画面上ではなく、「本物」を見に来てほしい。

という言葉。

アーティストへのインタビューで「あなたがウェブに求めるものはなんですか?」という質問をしたときにどの方からも必ずそのような言葉が返ってきます。


ウェブで様々なアーティストやその作品を紹介している自分が言うのもおこがましいのですが、本当にその通りだと思います。

実際に作品と対峙することで、画面上では感じる事が出来ない凹凸の具合や、スケールの大きさ。色も光のあたり方によって様々に変わります。

画面で見るものとは「別物」といっても過言ではありません。


似たような事としては、「旅行に行く」のと「旅行雑誌を見る」のは全然違うというのがそうかもしれません。

先日、私は京都へ旅行に行きまして、その際に「西本願寺」へ足を運んでみました。

言わずもがなですが、西本願寺は寺院の中では歴史もあり、その歴史は文永7年(1272)、親鸞の廟堂として建立された所から始まるといわれています。

と、言った情報はインターネットで検索すればいくらでも出てきます。

画像にしたって今回のトップ画像のようなものは検索すれば閲覧する事も出来ますし、本当に「検索」というものは情報を知るという事については便利なものです。

ただ、インターネットで調べて、「行ったつもり」になってしまうのは非常にもったいないと改めて感じました。


言葉にするのは、大変難しいのですが私が西本願寺へ直接行って感じた事としては、

門をくぐった先に見えるまるで瓦の要塞のような屋根をもつ寺院全体の圧倒的な迫力。

そして、敷地内に広がる諸行無常を感じるお香の匂い。

途方もない広さの一面畳敷きの薄暗い講堂に踏み入れた時の厳かな気持ちへの変化。

長く使われたから出てくる独特の艶を持つ広い廊下は、もともと自分の脚にフィットするように出来ているような気持ちのよい踏み心地と雪を踏み固めているような「きゅっ…きゅっ…」という心地よい音をあたえてくれます。

「体感」

という事は文字のごとくカラダで感じるものであり、「五感」すべてを使いますので、画面で「見る」ことだけでは不足です。

「百聞は一見に如かず」

ということわざがありますが、現代では、

「百の検索は一見に如かず」

と言い直した方がしっくり来ます。

それくらい、実際に足を運んで感じるという事は、感動を生むのです。

あくまでインターネットはきっかけにすぎません。

私たちはその「きっかけ」をどれだけウマく演出できるか。

言うなれば、

どれだけ「絵に描いたモチ」を美味しそうに見せるか。

そういう事をしている訳ですね。

本サイトで興味のあるアーティストや美術館に出会いましたら、是非、本物の良さを実際に足を運んで味わってみてください。

oasis_sk

『ARTYOURS』のウェブ担当。
現在は、制作会社のデザイン課長。


大学ではスケボーをしながら表千家茶の湯同好会に所属。さらに学芸員の資格を取得するというやりたい事はとりあえずやってみる主義。

生サムギョプサルなるものが気になります。