私は大学時代に「学芸員」という、美術館や博物館でものを扱う資格をとる勉強をしていました。

その過程で「西洋美術史」という授業を受けていたのですが、授業中に教授が西洋と東洋での美術の発展に影響したものについてある大変興味深い仮説をたてていました。

その内容というのが、「顔の彫りの深さ」と表現方法は密接な関係にあるという説です。
特に目から鼻にかけての彫りの距離が一番影響に値するということでした。

ご存知のとおり、日本人の多くは「平たい顔族」であり、それに比べると西洋人は「彫刻の様な顔」で目が奥まっている方が多い。これが美術作品にも多大なる影響を与えているというのです。

例えば、17世紀のオランダ光の魔術師といわれたフェルメールのあまりにも有名な「青いターバンの少女」。
暗闇の中を射抜くようなまなざしでこちらをじっと見つめている少女。明暗を絶妙に使い分け人物の肌が光っているような表現。そして周りの闇の暗さ。その世界観に自分も入っているような世界感を感じます。
油絵の具を重ねる事によって、一色では出せない重厚な作品。まさしく濃密な奥行きを感じる作品です。

かたや、その時代の日本の代表作というのが、琳派に代表する墨絵のような「線」大事にした絵。
筆の置き方によって出る強弱を巧みに使い分け、いかに「一本の線」を上手くひくか。
色の深みはあくまで「濃淡」でだし、色数自体も少なめ。
ぱっとみた感じ大変さっぱりとしているというか、平面的で、日本で言うところのキレが良い作品が多い気がします。


これは美術に関わらず「食」にしても、「こってり」と「あっさり」が彫りの深さに付随していると見えますし、「彫り」というものはその人間にとって「しっくり」くる物を司っているのではないかと思うのです。

実は今、この文はトルコに行く飛行機のなかで書いているのですが、機内の搭乗員はみんな彫刻のような彫りをしたお顔。


先ほどおなかの調子も考えて機内食では「魚」をチョイスしたのですが、これがまぁ、想像以上に「こってり」な味わいで…。

これから数日間、お味噌汁が恋しくなりそうです。

oasis_sk

『ARTYOURS』のウェブ担当。
現在は、制作会社のデザイン課長。


大学ではスケボーをしながら表千家茶の湯同好会に所属。さらに学芸員の資格を取得するというやりたい事はとりあえずやってみる主義。

トルコ旅行中です。