【女子力】という言葉が世の中に氾濫するようになって、もはやその本来の意味が何を意味するのかすら分からなくなるくらい使われています。

おそらくは、「女の子っぽい」ことの濃縮度を計る様なたぐいだと思うのですが、私は30も半ばを迎えようとしているいわゆる「オッサン」であるため、女子力で計られる様な人間ではないのです。

理解できないし、理解しようとも思わなかった。

「無関心」というスタンスが良くはないとおもってはいましたが、あまりにも縁遠い言葉であったため今まで何となくちゃんと考えようとすることを避けていた気がします。

ただ、先日、それを覆す様な出来事が起きました。

ある晴れた休日、私の妻はわざわざ遠出して季節限定で出店している「ANGELINA※1のモンブラン」を買いに行くと言う事で、結構遠くの駅まで足取りも軽く出かけていきました。

たかが「モンブラン」に往復2時間近くかけて買いに行く理由は何なのだろうと、私はその時はちょっと呆れながらも、半分感心していました。

「女子力が高いなぁ。」と。

しばらくして、嫁が帰ってきて手に握られているのは、真っ白くそして堅牢な箱がはいった袋包み。

外からの衝撃に対して、慎重かつ繊細な扱いうけたモンブランがそこにありました。

開封するときの感覚としては、待ちにまった電気機器(今だとiphone6とかですかね。)が届いたときにそーっと箱をあけるような、まさしく「開封の儀」に似ています。

過剰包装にもほどがある!と、なんとも言えない気持ちになってお皿に移してもらったモンブランをおもむろに一匙口に運ぶと、

「うわっ………」

一口食べて、もう他の事がどうでもよくなるような美味しさ。

良い洋酒の美味しい香りが自分の中に充満する様なトリップ感。

クリームを溶かすのがもったいなくてしばらく「むぐむぐ」とゆっくり口の中の余韻を楽しめるそういう芯のつよい甘さがあります。かといってしつこさが全くない。


往年の「大人のふりかけ」のCMにでている子供が


『ぼくはおとなの味を知ってしまった』


と言っていたのと同様に、


『ぼくは女子力の味を知ってしまった』


というくらいのショックが、どーんと。

いやぁ、「女子力」がもつ可能性って凄いですね。
まだ「女子力」未経験の方。とにかく味わってみる事をお勧めします。

oasis_sk

『ARTYOURS』のウェブ担当。
現在は、制作会社のデザイン課長。


大学ではスケボーをしながら表千家茶の湯同好会に所属。さらに学芸員の資格を取得するというやりたい事はとりあえずやってみる主義。

お店で日本酒を注がれている瞬間が最近一番の幸せ。

サロン・ド・テ アンジェリーナ※1

http://www.printemps-ginza.co.jp/restaurant/angelina/index.html