市ヶ谷に位置する「MIZUMA ART GALLERY」。

そのギャラリーのオーナーである三潴末雄さんが執筆された「アートにとって価値とは何か」(幻冬舎)という著書で氏の体当たりで学んできたアートビジネスの方法論、そして日本の作家や日本の文化の素晴らしさが余すところなく表現されています。

ギャラリーに在籍するアーティストの中には、
森美術館での展示で49万人を動員した会田誠さんや、自著『ヘンな日本美術史』(祥伝社)で第12回小林秀雄賞を受賞した山口晃さんを始め、日本の現代アーティストのトップランナーがずらり。

三潴氏が上記のような日本の作家やアートにこだわる理由は「欧米の一神教的なグローバル化では無い、新たな価値の創造を日本やアジアなどの多神教の世界から、発信して行きたい」
からだといいます。

氏が考える「欧米に支配されたアートマーケット」とは。
また、そこに風穴を開ける「新たな価値」とは。

アート業界を長らく牽引してきた三潴氏が語る、「これからの日本の現代アートを盛り上げるための方法論」を聞いてきました。

三潴末雄

(みづま すえお)

1946年東京都生まれ。成城大学文芸学部卒業。ミヅマアートギャラリー東京、北京、シンガポールディレクター。
94年ミヅマアートギャラリーを青山に開廊。(現在は新宿区市谷田町)2000年から活動の幅を海外に広げ、国際的なアートフェアに積極的に参加。「ジパング展」等の展覧会を積極的にキュレーションし、日本、アジアの作家を中心に世界に紹介し続けている。
著書『アートにとって価値とは何か』を幻冬舎より出版。

日本でしか観ることができないものに眼を向けたほうが良いと気づくようになった

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“日本の現代アートの場合、その面白さは日本人自身が自らの審美眼で評価する以外にない。
日本の文化は日本人が支えるしかないのだ。
(著書:「アートにとって価値とは何か」(幻冬舎)より抜粋)

 

ーー今回出版された著書「アートにとって価値とは何か」を拝読して、三潴さんの日本の現代芸術に対する愛情を非常に強く感じました。
そういった中で、日本の国内でギャラリーを運営して行こうと思った理由は何でしょうか。

三潴 日本でしか見る事の出来ないアート作品を大事にしたいと思ったんですよね。

明治時代以前、要するに徳川の時代なんかは、日本は外国の影響も受けながらもともとある土着の文化をうまく取り入れながら文化をつくっていたようなところがあったと思うんですよ。

それが明治維新になって、一気に西洋の文明文化が入って来るようになると、産業革命に代表されるヨーロッパが持つ生産力や技術力に対して、日本人は自分たちがものすごく後進国だとコンプレックスを感じる様になってしまった。

そして、とにかく西洋のありとあらゆるものを模倣して早く先進国入りしようという形になってしまったんですよ。

それが文化的な部分にも影響してしまって、音楽や絵画のような芸術も舶来品信仰になってしまった。

実はその当時、ジャポニスムのような日本美術が見直され、西洋の印象派誕生に影響を与えた様な事もあるんだけど、その後また第二次世界大戦で大きな敗戦を経験して、欧米のものばかり信仰する時代になってしまった。

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その影響を引きずったまま、ようやく90年代になって日本の現代美術が元気になってきた。ちょうどバブル経済がはじけた時に世界に類を見ない「オタク」や「アニメ」、「MANGA」のような世界に発信される文化が出てきたんですよね。

若い世代がやっと美術に対して肯定的な文化を作り出せるようになってきたわけです。

僕自身、「オタク」文化が始まる十数年前までは、海外のアートがやっぱり良いと思っている時代もあったわけで。
当時親交があった黒田アキの作品が「東洋のマティス」とかいわれて「かっこいい」と思っていたんですけど、それは海外からみれば、上から目線の亜流だという評価に気づかなかったんですよね。

欧米の翻訳された思想をそのまま鵜呑みにしていた時期があって、翻訳思想で一時期動いていたことがあったんです。

ただ、今は、つぎはぎだらけの翻訳された欧米文化を真似るのではなく、自ら住んでいるこの国の土着の文化から生れた考えやアート作品を大切にして行こうと思うようになったんです。

日本でしか見れないものに眼を向けたほうが良いと気づくようになったんです。

そういう「気づき」を皆さんに知ってもらいたいと思ってやっているわけです。
欧米の文化と日本土着の文化がせめぎ合ってこそ良い作品が生まれるのです。

ーー 日本の文化が好きだと認識したのは、先ほどのお話の様な「知識や経験」をもとに感じるようになったということでしょうか。

三潴 いやいや、そんなに難しいもんじゃなくて、ただ「好き」って感じですよ。

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だって、ごはんに「納豆」なんてものすごくうまいでしょ(笑)
他にも生卵をそのままかけて食べる国なんて他に無いし、梅干しだって最高に合う。

僕が小さい頃は、日本がちょうど戦争に負けた後で、その理由について、

「欧米人は、肉をガンガン食って、牛乳をたくさんのんでいるから体が大きくなる。
我々が口にしているメザシや玄米なんて<粗食>だから体力が欧米人に比較して不足している。」

とか言われていた。

だから、わざわざ健康的な日本食から、コレステロールいっぱいの成人病にさせるための「欧米式の食事」に日本全体が変わっていったわけですよ。

今なんて、逆に世界中が「日本食」にする健康ブームが起きているでしょ。
世界的に戦える文化を日本はもともと持っていたんですよね。

食文化だけでなく芸術でも同じで、徳川時代に制作された美術工芸品は世界最高の水準がありますからね。

日本の現代アートを支援する体制をいかに作るか

ーー そういうせめぎ合いの中から新たな現代作家さん達が生まれたのはここ十数年だということですね。

三潴 そうですね。
やっと最近になって日本の現代アートが市民権を得たというか。
草間彌生や奈良美智の展覧会を開くと人が集まるようになったでしょ。

ちょっと前まで、シャガールとかルノワール展とかじゃないと展覧会に人は来なかったですよ。

今は、伊藤若冲の展覧会でも人が集まる様になったし、
同時に地方の町おこしなんかでも、現代アーティストが活用される時代になってきましたね。

ただ、作品を展示する機会が増えたけど、じつは作品はほとんど売れていないという事が問題なんですね。
買う人がいないんです。

日本の人たちは展覧会には良く行くんですよね。
ルーブル美術館へもある時期は日本人が一番行っていたなんて言われていた事もあるくらい、文化的なレベルは非常に高いんですよ。
実際に絵を見に行くのは好きなんですよね。

次に好きなのは、自分でパフォーマンスするのが好きなんだよね。
お花を生けたり、お茶を習ったり。そういうところにお金を使うのは非常に好きな民族なんです。

ただ、誰かの作品を買って家に飾ろう。という風には、なかなかならないんですよね。
現代の日本人は生活の中に、アートを取り入れるということに余り興味はないんだよね。でも江戸期なんかは生活の中にアート(当時は工芸品と呼ばれていた)を取り入れて楽しんでいたんですがね…。

 

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“日本の現代アートが他の文化ジャンルや日本社会との関係の中で、
そういう本来あるべき価値の破壊的創造の役割を果たしていけるよう、
パブリックな支援体制を築いていくべきだと考えている。”

(著書:「アートにとって価値とは何か」(幻冬舎)より抜粋)

ーー 日本のアートに対する文化が成熟していけば、もっとみんな絵を買うんでしょうか。

三潴 いや、文化の成熟がマーケットの成熟に繋がるかというと必ずしもそうではない。
今の日本の人たちは、将来の日本社会に対する不安があるから貯金する事に一生懸命だからね。

かつては、日本の企業だって、企業の資産として作品を買っていたんだよ。
ただ、バブル経済が崩壊して、企業が持っていた作品自体の価格が、ガーンとさがって今じゃ当時の一割くらいの値段になってしまっているわけですよ。

しかも、価格が落ちている作品というのは「日本」の非常に閉じられたアートマーケットで売買されたドメスティックな作品であって、逆に海外のアートマーケットで買った作品は価値がどんどん上っているんです。
残念ながらバブル経済の反省もあって日本の企業は作品を買わなくなりました。

さらに大きな問題として、日本には国として、世界に誇れる美術館がないんですよね。
ルーブルやメトロポリタンのような国際的な美術館がないわけです。

戦後から現在までの日本の秀でた作品と、アジア周辺の生きの良い作品をコレクションし続ければ国際的なアジアの現代アート美術館が出来るはずなのにそれがない。

日本がアジアの中で文化的なイニシアチブを持とうという気概が無いのです。日本の現代アートを支えて行くのは自分たちだという意識も無いのです。

ーー そんな状態だとやはり眼がいくのは海外のマーケットになってくると。

三潴 やっぱり作家もギャラリーも作品を売って経済的自立をしなければならないので、そうなるとマーケットがあるところに行くしか方法がない。

ヨーロッパ、アメリカ、最近だとアジアにもマーケットが生まれてきていますし。

ーー アジアだとどこが主にあげられるでしょうか。

三潴 香港でしょうね。「M+」(美術館)なんかは、倉俣史朗設計の寿司店のファサードとインテリアをそっくりそのままコレクションとして移設しましたよ。
むしろ、アジアの国際的な美術というのは、香港に集まり出してます。何しろコレクション予算は3000億円位あるらしい。スケールの違いに圧倒されますね。日本の国公立美術館で1億円コレクションの予算を持っているところは無いのでは…。

 

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“現代アートの展覧会をもっと積極的に海外で開催していく必要がある
情報発信力不足では戦えない。
文脈性のある展覧会こそ、作品の価値と市場流通の価値が乖離しない相場を作っていく道なのだ。”

(著書:「アートにとって価値とは何か」(幻冬舎)より抜粋)

 

アーティストに大事なのは「野性的な知性」

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“若い世代のアーティストたちには、岡本太郎のもう一つの言葉
「同じことを繰り返すくらいなら、死んでしまえ」の通り、
絶えず新しいことにチャレンジしてほしい。”

(著書:「アートにとって価値とは何か」(幻冬舎)より抜粋)

ーー そういう中で、日本のこれからのアーティストはどうすればよいとお考えでしょうか。

三潴 今は文化庁が日本の作家を海外に出している様な事業も盛んだが、海外からも日本の現代アートを研究する人たちを積極的に招聘すべきだと思います。こうした人達に日本の現代アートの魅力を海外に積極的に紹介してもらいたい。

ーー 著書の中にあったように、美大に入るより専門学校で技術的な物を学べば十分だという。

三潴 うん。そうなんだよね。
あとは、覚えておいてほしいのが、本当の意味でのアーティストは100万人に1人しか生まれてこないということですね。
本当のアーティストって言うのは社会の変化や動きをちゃんと捉える感性も大事だし、作品を制作する技術力だけではなくて、キチンと物事を考えられる頭がないといけない。

会田誠は何冊かエッセイ集もだしてるけど、やっぱり面白いし良く世の中の事を見てるよね。
いろいろな問題作も作ったりもするけれど、きちんとした社会的知性が備わったアーティストなんですよ。

だから、やっぱり大事なのは「野性的な知性」なんだよね。

ーー 描けるだけでなく、周りに対する発言力も持っていないと駄目だと。

三潴 そう。
例えば、今の若い世代って言うのは、いろいろと屈折しているからね。

「いじめ」だったりとか、「オタク」もそうかも知れない。
そういう子達が、絵を描いている時は個人的に癒されていて、自分の中でその世界観を広げて行くのは全然良いんだよね。
ただ、そういう人は別に「作家」に成る必要はないわけで。

厳しいマーケットの世界に放り込まれて、自分が見せたくない作品があったとしても選り好みして、売りたくない!なんて言ってられないわけだから、精神的にもタフでないと作家としてはやって行けない。

自分が好きな事を「大いなる趣味」としてやることは全く問題はない。
ただ、そういった中にも面白い人がいるって事はあるんだけど、プロの作家になる必要はない。

ーー 「運」や「縁」も必要だということですかね。

三潴 もちろん「運」はありますよ。
ただ「運」を掴むためには、やっぱり動き回らないと幸運の女神には出会えないからね…。

釣り堀の魚では駄目なんだよね。
GEISAIのような大きなイベントに出店して、「誰かに見いだしてもらおう。」という方法もあるけれど、それだけでは難しいんじゃないかなぁ。釣られるのを待ってるだけじゃなかなかね。

ーー 自分から戦略をもって環境を整えなければ行けないと。

三潴 なんにせよフットワークが軽くて、ネットの検索に頼らない人。
「グーグル」って言うのは、だいたい同じ結果が出てくるから。

やっぱり自分の脚で走り回って、自分の眼でいろんな物を見れる人が一番良いよね。

 

本当の意味で、自分たちの国の文化を世界に知らしめたいとおもう様な人が必要

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“パブリックな現代アートの協会を立ち上げること、
日本ならではのスタイルのアートフェアを発展させること。
この二つの業界活動は自分の責務だと認識している。”

(著書:「アートにとって価値とは何か」(幻冬舎)より抜粋)

ーー 今後大きな展覧会を世界の中でやる計画はありますか。

三潴 国際的な企画は大きな予算が必要だから、なかなか実現は難しいんだけど、でも何かやらないと世界のアートマーケットで、日本のアートは埋もれてしまうからね。

日本は、トリエンナーレ、ビエンナーレの数が多いんだけど、分散的にやりすぎなんだよ。どれも似たり寄ったりだし。

一極集中にして世界に誇れる展覧会を企画しないとお金の使い方がもったいないよね。

ーー 旗ふり役が必要になってくるというか。

三潴 まぁ、今も旗ふり役はたくさんいるんだよね。食べるための旗ふり役が。

だから本当の意味で、自分たちの国の文化を世界に知らしめたいとおもう様な人。
飯の種の為に旗を振っている様な先導者じゃ駄目なんだよね。

大体、日本の魅力あふれた現代アーティストをプロモートしてなくて、世界からスター作家を呼んできて、企画されている。輸入文化の国際展が多すぎますね。

ーー そうなってくるとやはり文化庁などが頑張る必要があるということですか。

三潴 最近は文化庁もかなり協力的で、私のようなコマーシャルギャラリーも海外のアートフェアに出すときにいろいろと援助してくれているんだよね。

今までは、国の予算が「アートでビジネスしている所」に充てられるっていう事はなかった。

歌舞伎や能の様な、いわゆる古典にはお金を出してはいたみたいなんだけど、「現代」のアートにお金を出す事はなかった。

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いざ日本の現代アートにお金を出すとなったときに、世界的に誇れる文化で眼についたのが、「アニメ」や「マンガ」だったんだよね。
現代アートに対しては、ようやく国の関与がはじまったばかりですが。

はみ出している子のほうがのびしろを感じるよね。絵を描くっていう基がそこにある訳だから

ーー 三潴さんにとってアートとはなんですか。

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三潴 そんなたいそうな持論はもっていないけど、「出会い」ってのはあると思うよ。
まずは自分が欲しいと思った作家の絵を1万円でも5千円でも良いから買ってみる。

同じお金を払うにしたって、ヴィトンのバッグは成長しないけど、アーティストは成長する可能性があるからね。

結局はアートの価値って言うのは自分が決めるって事なんだよね。

ーー 三潴さんが価値があると思う絵というのはどういうものなんでしょうか。

三潴 俺自身は良いとか悪いとか、そういう事はあんまり言わないんだよ。

ただ、本当にいろいろ見ている中で、「何だコレは?」と思う作品には眼がとまるよね。

あとは過剰な物とか。
「馬鹿だなぁ、コイツ。なんでこんなにやっちゃってるんだろう。」と思う様な作家にのびしろを感じるんだよね。

きれいにまとまっちゃってる作家はつまらない。

小学校でも絵の塾なんて行っちゃって、きれいに描き上げる子もいるけど、その傍らで枠をはみ出して、ぐわっと描いている様な子もいるじゃない。

はみ出している子のほうがのびしろを感じるよね。
絵を描くっていう基がそこにある訳だから。
だから、絵はきれいじゃなくてもいいんだよね。

あとは同じ様なことを繰り返すマンネリズムもつまらない。
常に違うものを産み出すというのはすごい発想力がいるんだよね。
それを産み出せるのが濃い作家だと思うよ。

ネットと現実の世界を乖離しないようにしないといけない

 

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“すべてをネットで情報提供するだけでは足りない。
実際の作品に触れさせるようなかたちで、情報を上手に出す必要がある。”

(著書:「アートにとって価値とは何か」(幻冬舎)より抜粋)

ーー 最後にインターネットとアートの関係性について今後どのようにお考えでしょうか。

三潴 昔は、自分の情報を外に出されて消費されるのを嫌ってたんだよ。自分の世界を大事にしていた。

ただ、今は逆で、どれだけ自分の情報をネットを使って外に出して行くか。
この情報量が多ければ多いほど凄いってことになっているんだよね。

ただ問題なのは、ネットの世界だけで終ってしまっていて、実際に自分の作品を見に来させるところまでたどり着けないと意味がない。

ネットと現実の世界を乖離しないようにしないといけない。

はっきりしている事は、アートって言うのは、基本的には生で見た方が良いに決まっているんだよ。
あくまでネットって言うのは作品を見に来てもらうためのツールだよね。

協力:Mizuma Art Gallery

撮影協力:神楽サロン

参照:「アートにとって価値とは何か」三潴末雄 著(幻冬社)

<終>