先日、うちの家内が「冷蔵庫を買い替えたい」ということで、一緒に大きな電気屋に行った時のことです。

様々な冷蔵庫がズラリと並んでいるところに、4〜5歳くらいの小さい女の子が、ある冷蔵庫の野菜室を開けて、振り向きざまに、

「あなた〜、今日はご飯なにがいいですか〜?」

というような<おままごと>をしていました。

可愛かったのでしばらく目で追ってみると、振り向いた後のアクションのクオリティがどんどん上がっていくんですよね。

最初は、ただドアに手をかけて頭だけ振り向いていたのが、

気づくと腰に手を当てて足を交差させて、
「あなた〜?」

また気づくと、髪をかきあげて、
「あなた〜?」

最後にはスカートを両手で持ち上げながらお姫様の「ごきげんよう」のようなポーズをして振り返って
「あなた〜?ねぇ、あなちゃ〜!?」

毎回少しずつ変えてくるんです。
同じことはしない。常に変えてくるんですよね。

おそらくですが、彼女の中では「自分をどうやったら一番可愛く見せることができるか。」というのを手探りで見つけようとしているんだと思います。

現状維持ではなく、どんどん可愛く見せようと改良していく。

あくなき探究心が彼女をどんどんヒートアップさせていくんですよね。

この自分の「見られたい」という欲望に正直な子供の表現。

以前、森村泰昌さんのインタビューをさせていただいた時に、


"僕が考える藝術の位置というのは、「子供以上、大人未満。」という考えがあるんですよ。
子供のときには、欲望に素直に行動する訳ですよ。
それがだんだん大人になってくると、それが社会では通用しないという事を学ぶ訳ですね。

いろいろな制約がついて回るようになる訳です。

ただ、それが藝術家と言われる人になると、社会に出ても子供時代の記憶を切る事が出来ないんですよ。引きずってしまうんですね。
"


と言っていたのをふと思い出しました。

彼女にとって、今は「子供」の状態を満喫しているんですよね。
要するに「子供らしい子供」な訳です。

森村さんの話からすると、この「子供」の時期がとても重要だと感じるのです。

本来の自分の欲求の出し方を子供の時に経験しておかないと、自分のやりたいことがわからない大人になってしまいそうな気がするんですよね。

子供を「甘やかす」こととは違います。
自己表現の方法をきちんと教えてあげて、感情の出し方を覚えさせる。

そういう加減が子供の時期に養われるとおもうんですよね。

とにもかくにも、やっぱり子供は元気で可愛いが一番!
おそらく「あなた〜?」の彼女のお家は幸せいっぱいの家庭なんでしょうね。

oasis_sk

『ARTYOURS』のウェブ担当。
現在は、制作会社のデザイン課長。


大学ではスケボーをしながら表千家茶の湯同好会に所属。さらに学芸員の資格を取得するというやりたい事はとりあえずやってみる主義。

お店で日本酒を注がれている瞬間が最近一番の幸せ。