2015年1月22日。雨。夕刻。
クラシックな門構えの「原美術館」は様々な業界人からの個展祝いの花で埋め尽くされていました。

雨露にぬれたその花たちが、冬という季節にもかかわらずその「彩り」をここぞとばかりにみずみずしく見せていたのがとても印象に残っています。

2015年1月24日(土)から5月10日(日)まで、原美術館で行われている個展「蜷川実花:Self-image」。

”蜷川カラー”といわれる極彩色の写真、数々の企業CMやアイドルのミュージックビデオ、また近年では「さくらん」や「ヘルタースケルター」の映画監督としても活躍する写真家です。

本展示は「蜷川実花」の「彩り」の部分だけでなく、「闇」の部分に焦点をあてたもの。

世の中に乱れる鮮やかな色に隠された残酷な事実と、それを受け止めながらどうやって生きていくか。

また写真を撮ることによって自己を見つめる行為。

写真家として生きる彼女の様を、原美術館の空間を余すことなく使って表現した構成になっています。

記者会見では、原美術館の館長である原俊夫氏自らが、その展示にたいしてスタンディングオベーションをし、興奮を隠すことなく賛辞を述べました。これは原美術館の35年の歴史の中で初めてのことだそう。

それくらいエキサイティングな、新境地とも言える蜷川実花の世界。

今から展示を見に行く人が、「知っていればより面白くなる」みどころを会見の蜷川さんの言葉を借りて紹介します。

蜷川実花

(にながわ みか)

写真家・映画監督
木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。映像作品も多く手がける。
2007年公開、映画『さくらん』を監督。
2008年、個展「蜷川実花展ー地上の花、天上の色ー」が全国の美術館を巡回し、のべ18万人を動員。
2010年、Rizzoli N.Y.から写真集「MIKA NINAGAWA」を出版、世界各国で話題となる。
2012年公開、『ヘルタースケルター』監督、22億円の興行収入を記録。
2014年、2020年開催東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事に就任。
2015年1月24日より、品川の原美術館での個展が開催されている。

鮮やかさに隠された残酷な事実

 

1Fには、花火、着色された花、ソーセージや食肉などを被写体とした彩度溢れる写真がところせましと展示されています。
色の鮮やかさとはうらはらに、その背後には人間の欲望、残酷な現実が見受けられます。

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ninagawa04「noir」2010-
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

 

上記の魚の写真は香港で蜷川が撮ったもの。
実は人を楽しませるために「色をつけられた魚」たち。

蜷川「日常の背後にある残酷なことをあまり人が感じなくなっている。ただ、それを気にしすぎると生きていけない。そんな世界でどうやって強く生きていくか。」

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「無題」2015
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

 

またサイケデリックな映像作品は渋谷慶一郎の音楽と相まって、一種のマインドトリップに近い印象を与えます。

自己のバランスを保つために撮る

 

そして、2Fは、「蜷川実花」の裏面とでもいうべきモノクロームの展示が中心となっている。
蜷川本人による限りなく生身に近いセルフポートレートが飾られていました。

記者会見で蜷川さん本人が繰り返し語っていたのは、撮る行為で得られるバランスや発見。

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「Self-image」2013
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

例えば、自分の姿を自分で撮影した「Self-image」の作品については、

蜷川「映画撮影で多くの人に携わっていた時期に、ロケの空いた時間に一人でセルフポートレートを撮っていた。
真逆のことをしたくなったんですよね。
その時はファインダーを覗かずに三脚をたててセルフタイマーで撮っていたんです。自分を撮るという行為で、精神のバランスをとっていたんでしょうね。」

と説明し、

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「PLANT A TREE」2011
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

 

また、川面に散る桜を収めた「PLANT A TREE」という作品についても、

蜷川「その当時の旦那と別れたその日に、目黒川の桜を撮りにいったんです。とにかく”哀しい”という気持ちしかない。そんないい写真を撮ろうという自意識の働かない時に撮るといかに普段の自分が意識して写真を撮っているかがわかるんですよ。そんな時でも写真を撮ろうとする私も私ですが(笑)。」

と表していました。

憧れの場所からの再スタート

 

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蜷川さんは今回の展示のことを、

「自分のクリエイションの規模が大きくなって様々な人たちと作る機会があるおかげで、ものすごく得るものも大きくなった一方で、(作品にたいして)角が取れたり贅肉のようなものが付いてきている感触を少しずつ降り積もるように感じていた。
カメラ一台で何ができるかということにちょうど立ち還りたくなっていた時期に、憧れであった原美術館で展示ができてとても嬉しく思う。」

と説明していました。

「写真家」としてファインダーを通して世界を撮り、
自分の感性の「チューニング」として、自らの姿を撮る。

限りなく生身に近い蜷川実花を体験できる興味深い内容の展示になっています。

【展覧会詳細】
蜷川実花:Self-image
開催期間:2015年1月24日(土)~5月10日(日)
時間:11:00~17:00 (水曜は~20:00/入館は閉館時刻の30分前まで)
休館日:月曜日、2015年5月7日(木)
※2015年5月4日(月)は、開館。
会場:原美術館
住所:東京都品川区北品川4-7-25
TEL:03-3445-0651
入館料:一般 1,100円、大高生 700円、小中生 500円
※原美術館メンバーは無料。
※学期中の土曜日は、小中高生の入館無料。
※20名以上の団体は、1人100円引。
http://www.haramuseum.or.jp/