二十一世紀に入って世界にもっとも広まった日本語は、「kawaii」であるという意見、耳にしたことはありますでしょうか。

実は、キティちゃんなどの愛らしいキャラクターを作っているサンリオも営業利益の9割は海外から得ているというのだから驚きです。

まるでそれに呼応するように、日本の若いアーティストたちが「kawaii」作品を世に出し始めています。

特にその中でもキラキラした特徴的な「目」で一度見れば二度と忘れないような作品を作りだしている「せきやゆりえ」さんに今回お話を伺いました。

丸いシルエット、甘いパステル色、既視感からくる親近感。その中に内包された「毒々しさ」。

古典的なアートからの脱却とも取れる、彼女の身近に存在したものを再評価し解釈を加えた独自の「kawaii」感。

ただ、せきやさんは自身の作品のことについて、

”パッと見だけの「Kawaii」で終わる作品ではなく、「よく見ればみるほど可愛い」と言われるような作品を作りたい。”

という制作に対する貪欲な意識をはっきりと言葉にされていました。

どのようにしてその個性は生まれたのか、そしてアーティストとして彼女は何を目指して生きていくのか。

今回、かなり赤裸々に語っていただきました。

せきやゆりえ

1987年生まれ 東京在住。
2010年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。

女の子なら誰でもキュンッとくるような、大きいキラキラの瞳が特徴の
イラストレーター。主にどうぶつや女の子を描く。ファッション誌やブランドなど幅広く活動中。オリジナルキャラクター「ペロペロ★スパ~クルズ」を 展開中。

見どころを「目」に絞る

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ーー 去年、雑誌「アイデア」の「現代におけるエイティーズ新解釈」で大々的にご紹介されていましたね。

 

せきや 本当にこの話を頂いた時はびっくりしたんですよ。

美大(多摩美術大学)に通っている時には「アイデア」か「美術手帖」に載ることが一つの夢でしたから。

 

ーーこのアイデアで同時に取り上げられている作家さんたちとは、過去に「胸きゅん展」というグループ展でご一緒にされていたりもしますね。

 

せきや そうなんですよね。逆に私は「胸きゅん展」を見てくださった方がこの特集をくんでくださったんじゃないかと思ったんですよね。

 

ーー 確かにそうですね。
私もその展示にお邪魔させていただきました。
その時にせきやさんの作品に感じたのが、ただ「カワイイ」だけではなく、目に色が飛び込んでくるような「派手」な色使いの作品が多かった気がするんです。

そういう表現は意識しておこなっているんですか?

 

せきや いや、色使いに関しては、完全に感覚でおこなっているんですよ。
昔から、同じ絵に「赤」「青」「黄」の色を同時に使いたいという衝動に駆られるというか。

私の中でそれらの色を満遍なく使うことで「バランス」を取ろうとするところがあるんですね。

 

多分その3つの色を同時に使うと必然的に派手になっていくんじゃないかと思うんです。

 

あまり色数を使わないで、はっきりと「赤」「青」「黄」は使うということは意識してやっています。

 

ーー ロックフェスとのコラボで「RSR2014×せきやゆりえ」のTシャツの作品はまさにそんな感じでしたね。

 

あれは、「ロック」というものを意識してより色使いを派手にしていたんですか。

 

せきや はい。それはありますね。
私自身が「はっきりした色」がずっと好きだったんですよ。

 

というよりも、もっと「毒々しい」ものが好きだったので、気持ち悪さが前面に出てくるような作品ばかり作っている時期もあったんですよ。
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ただ、その「気持ち悪い」作品というのは自己満足にすぎなくて、だんだん「人が喜ぶものを作りたい」と思い始めました。
反動で、すっごくカワイイものが作りたくなったんです。

 

反動で「おしゃれでカワイイ」と人に思われたいっ!てなったんですよね。

 

ーー そうなんですか!

 

せきや そうなんです(笑)

 

なので、目だけは「密度」をあげて毒々しい感じを残して。
後のパーツは、顔は大きく、体は小さく、キティちゃんのようなものを意識して可愛らしくなるように心がけたんですよね。

 

見どころを目一つに絞ろうとおもったんです。
目に目がいくような感じにしたいと思ったんです。

 

ーーなるほどですね。

 

せきや 作品の中でつかっている「ふわっ」とした色合いも
「こういう色が女の子は好きなんじゃないか」とか考えながらつかっているんですね。

 

私もそういうふわっとしたものは好きなんですけど、客観的に見ているのがすきなんですよね。
例えば、そういう色のタイツを私が履くかと言えば履かないんですけど、そういうのを履いているかわいい女の子を見ているのがすきなんですよね。

 

パッと見だけの「Kawaii」で終わる作品ではなく、「よく見ればみるほど可愛い」と言われるような作品を作りたい

 

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ーー 「kawaii」という日本の文化が現在、世界中で使われるようになっています。
せきやさんも「kawaii」を作っている一人だとおもうのですが、その「kawaii」に対してどう思っていますか。

 

せきや 流行っているなぁと感じたのは、「きゃりーぱみゅぱみゅ」が出てきてからだとおもうんですよ。
良い意味でも悪い意味でも、結構皆さんぱっと見でそれを判断しているとおもうんですよね。

 

例えば、パステルカラーだったら「kawaii」みたいな。そういう雰囲気を表すのに、わかりやすい言葉として皆さん使われていると思いますね。

 

あとはやっぱり「kawaii」も流行の一つだと思うんですよ。
それが終わってしまったら、私もkawaiiに属する一人なので怖いと思うところはありますよね。

 

だから、「kawaii」で終わるような作品ではなくて、「よく見るともっと良い」と言われるような作品を作りたいと思っていますね。

 

ーー 「kawaii」は流行であるということでしたが、やはりその価値観自体がどんどん失くなっていくと?

 

せきや 失くなるというよりは、時代によって「形が変わっていく」という感じだと思うんですよ。

 

例えば今、「kawaii」と言われている「原宿系」のファッションが、ずっとあるかもしれないけど、いきなりダサいものになる恐れもあるわけで。

 

ただのブームで終わるのではなく、本当に愛を持って練られて、作られたkawaiiものはこの先もどんな形であれ残っていくと思うのでそういうものが作りたいです。

 

「ギャルなんて…」と思っているような子だったんですけど、本当はなりたかったんですよ

 

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ーー せきやさんのtwitterを拝見させていただいて、その中で「ギャル」を褒めるようなつぶやきが多く見られます。
先日も「ギャルになりたかった」とつぶやかれていましたが。

 

せきや (笑)あれは、私の思春期についての考え方の一つなんですが、ちゃんと中高生の多感な時期に、自分の好きな物や興味のあるものに素直になっていないと、大人になってからこじらせてしまうと感じているんですよね。

 

例えば恋愛もそうです。思春期に、「片思い」や「告白して振られる」などの「青春の基礎」のようなものを経験しないまま大人になり、抑圧されたものが30代になったとたん変な方向に爆発してしまっているような人いますよね。

 

その爆発により得ることもありますが、やはり思春期に真っ当な恋愛経験をして来た人は30代から落ち着いていい雰囲気の大人になっているような気がします。

わたしは思春期に、本当はギャルになりたかったのにそれに抗ってへんな髪型をしたりしていたから、大学に入ってからも方向修正できず変な絵ばかり描いていました。

でも今になって、好きなものに正直になっていればよかったなって思うんです。

だから今は、自分の本当に好きなモノに正直になって、パステルカラーでキラキラな少女チックな絵を描いています。

似合わなくってもいいんです!好きだから。

 

 

 

ーー 自分が好きなものを作品にしているという。

 

せきや そうですね。好きなものを描いているという気持ちはあります。

イラストレーターとしても、アーティストとしてもどっちもきちんとやることが大事

 

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ーー せきやさんは、イラストレーターとしてだけではなく、ISETANなどでイベントを組まれたり絵画作品を販売されている等、アーティストとしても評価され始めています。
ご自身は自分の作品が「アート」であることを強く意識するようなことはありますか?

 

せきや はい。それはありますね。
「ちゃんとしている人」に思われたいというか。
自分の作品に対しても安売りしてはいけないんだろうと思っています。

 

作品に超高額な値段を吹っかけるのはなんか違うと思うんですが、やはりしかるべき値段をつけて作品を作るのは必要だと思っています。
それが買う側にとっても礼儀だとおもいますし。

 

イラストレーターとしても、アーティストとしてもどっちもきちんとやることが大事だと思うんです。

 

きちんと流行や時代の流れをつかんで、のイラストの仕事を請け負うことも大事ですし、片やハイブランドとコラボできるような仕事もおこなっていけるのが理想だとは思うんです。
まだまだ模索中なんですけどね。

 

ーー 胸きゅん展で作品を出されていた他のアーティストもまだせきやさんと同じく20代の方が多かった気がするんですが、そこに出店されていた方々も、アーティストとして食べていくという感覚が浸透しているのでしょうか。

 

せきや そうですね。
自分の作品に対していつもクオリティをあげようとしていますし。作品に対して自信がある方が多いとおもいます。

 

特にMEMOさんとはよくいただいた仕事の金額とかについても相談したりしますしね。
ーー 結構、アーティスト同士の横のつながりが強いんですね。

 

せきや 誰とでもってわけじゃないんですが、仲が良い方とはかなりよく相談とかはしてますね。
例えば、作品の値段についてとか。わかんないんですよね。「絵」の値段って。

 

よくあるんですよ。「金額をご提示ください」みたいなオファーが。ホンネをいうといくらでもほしいよ〜(笑)みたいな。

 

ただ、依頼主さんとは今後ともいい仲を続けたいし、一方できちんとした値段はつけたいし。

 

そういう時は知り合いのアーティスト同士で相談します。

 

ーー アーティスト同士でどんどん環境をよくしていこうとしているんですね。

 

せきや そうですね。

 

ーー 今日のインタビューで、せきやさんの口から「〜と思われたい」という言葉が頻繁に出てきたような気がしたんですが

 

せきや 実は昔から、私は人の期待に全力で応えるってことが好きで。

 

だから、自分が主張したいことを全面に出すわけではなくて、世の中の人がどういうものを作ったら喜ぶだろうということを意識して作っているんですよね。

 

だから、周りから見られている目線でどんどん私自身も変わっているようなきがしますね。
まぁ、それが最近の悩みでもあるんですが。

 

最近は求められたものだけを作るのではなくて、自分の主張を出していかないとやっていけないと模索しているんですよね。

(第一回 終わり。第二回につづきます。)

 

 

<撮影協力>