「バスに乗る」こと。

私が18歳になって東京に出てくるまで、それは1週間に一度あるかないかの特別なイベントでした。

住んでいたところが大変な田舎でしたので、「街」にいって帰ってくるまで往復で1500円以上かかるものですから、もしバスにのるなら、
「ちゃんと楽しんで帰ってこなければならない」
という、田舎者独特の使命感を感じていたような気もします。


「電車に乗る」こと。

これも今となっては日常の一部になってしまいましたが、東京に出て来たばかりの学生時には、知らない迷路を歩いているような緊張感と、降りた先の駅の景色を想う好奇心で毎日が楽しかった記憶があります。

卒業してしばらく経つと、実家のバスは新しい車両になり、通勤電車は地下に潜ってしまうとなんとなく、あの頃の気持ちも改修されてしまったような、少し寂しい気持ちになります。

そんな時には田園都市線の宮崎台「電車とバスの博物館」にふらっと行く。

そこには懐かしいバスや、懐かしい電車の車両がそのまま残されています。

その車両のソファの懐かしいフカっとした座りごこち、独特のちょっと埃っぽい車内の臭いは、「知らないどこかへ行く」という不安と期待がないまぜになっていたあの頃の気持ちを思い出させてくれます。

しかも入館料は大人100円から。

駅への「入場料」よりも安い値段で「良きあの頃」へ思いをはせる旅をしたい方にはぜひお勧めしたいスポットです。

oasis_sk

『ARTYOURS』のウェブ担当。
現在は、制作会社のデザイン課長。


大学ではスケボーをしながら表千家茶の湯同好会に所属。さらに学芸員の資格を取得するというやりたい事はとりあえずやってみる主義。

お店で日本酒を注がれている瞬間が最近一番の幸せ。

※参照リンク

電車とバスの博物館