”場合によっては、自分の名前が残らなくても自分の作品は残ったりするかもしれない。”

名声や栄誉。
そういうものから完全に解放されたその言葉を刺繍作家・青山悟さんは言ってのける。

「考えた」ものを形にすること。「つくる」という段階で初めて気づく感情やその時に生まれる決断は作り手のオリジナルになりうる。

手を動かすことで技は少しずつ改良され、そして新しいものに生まれ変わる。

「制作行為そのものを大事にしたい。」と語る青山さん。

彼は、作りながら、新しいものを創るという行為を延々と楽しむ求道者のようなアーティストであり、創り続けることを幸せと言うことができる恵まれた才能の持ち主なのかもしれない。

青山 悟

1973 東京生まれ 東京在住
2001 The School of the Art Institute of Chicago, MFA Fiber and Material Study Department
1998 Goldsmiths College, University of London, BA Textiles, Visual Art Department

大量生産の為の道具である工業用ミシンを用い
丹念に縫い上げられた刺繍作品を通して、
現代人の営みとテクノロジーとの関係性を言及し、
また、それによって失われつつある人間の感受性や
創造性についての問題を提起する。

この手法を始めてからずっと「やり尽くした」という感じがない

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ーー青山さんの作品は刺繍という手法でできていますが、ここに行き着いたのはどのような理由からでしょうか。

 

青山 もともと大学ではテキスタイル科を専攻していたんです。ロンドンのゴールドスミスという大学でテキスタイルにまつわる技術を機織りから手縫いまで一通りやったんですよね。

 

テキスタイル学科というのは「フェミニズム運動」と強く結びついているようなところがあるんですよ。

 

もともと男性が多い芸術の世界に女性が介入するための場をつくるためにできたような感じで。

女性たちが普段、家でやっているような「刺繍」の技術を芸術に高めるようなことを当初目的としていたのがゴールドスミス大学のテキスタイル学科で、この学科は最初、刺繍学科だったそうです。

その中で、僕は「ミシン」という方法を選びとって今に至るという感じです。

ーー作品作りは学生時代からずっとミシンで行っているんでしょうか。

 

青山 ずっとミシンです。
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ミシンそのものが持つ言語には、労働の価値や機械の歴史などが含まれていたり、背景も興味深いものがあるんですよ。

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「テクノロジー」の歴史と「テキスタイル」の歴史は深く関係しているんですよね。

現在、古いミシンを使って作品を作るのも、最新のテクノロジーとの比較が面白いという面もあってやってますね。
20年くらいはこの手法でやっています。
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ーー20年間、この手法を続けて気づいたことはありますか。

 

青山 「やり尽くした」という感じがないということですかね。

 

この手法を始めた頃から、他の人からは「その手法だと行き詰まるんじゃないか」みたいなことを度々言われていましたが、そんなことは全然ないですね。
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いまだに日々の制作中に新たな発見があります。

アートシーンに眠る名もなき作り手たちの決断にフォーカスを当てたい

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ーー(インクジェットで写真が印刷された紙に刺繍された作品をみて)この凹凸感はすごいですね!

 

青山 刺繍をしている作品の写真をインクジェットプリンタで紙に印刷して、刺繍されている部分だけを上からまた刺繍で再現するということをやってみたんです。
この凸凹はあんまり計算して出したわけではないですけど( 笑)。

 

ーーこれは材質が紙だからできるということなんでしょうか。

 

青山 そうですね。布だと全体的に伸縮してしまうんですが、紙だとそういうことがないので。

 

ーー見る人が驚きそうな仕掛けですね。

 

青山 これは展示の二ヶ月前くらいに思いついたもので、他の作品よりも全然後ですね。

 

ーーところで、今回の展覧会はどのようなテーマで行われましたでしょうか。

 

青山 展覧会名は「名もなき刺繍家たちに捧ぐ」というタイトルなんです。
これは、アリギエロ・ボエッティという刺繍作家が作った《MAPPA》という作品から構想を得ました。彼は国旗を世界地図に当てはめた刺繍作品を数多く残したアーティストです。これらの世界地図は国境の変更も度々反映しています。ただ、ボエッティ本人が実際に制作していたわけではなく、アフガンの刺繍職人たちが発注を受けて縫っていました。彼は作品を構想して発注するコンセプチュアルな作家だったんです。
僕はずっとその作品のことは知っていたんですが、最初は「とてもきれいな工芸品」ぐらいの目で見ていたんですね。
ただその当時、世の中は完全に「工芸品」というものに対して「アート」と切り分けるような考え方であったというか。
「アート」=高尚なもの
「工芸品」=生活に根ざした機能的なもの。

 

というイメージだったんですよね。

最近になってそれもすこしずつ変わってきたようなイメージがありますが、当時はそこに、確実にヒエラルキーのようなものがありました。

「アーティスト」とそれを縫う「職人」というのは、別物と考えられていたんですよね。

そもそもボエッティの世界地図も最初は「工芸品」として見られていたのには、例えば、作品上で大事な「海の部分の色」を、それを縫う職人さんに任せているようなところがあったりして、割と重要な部分を職人さん任せにしているという背景があったんですね。

なので、アーティスト性が極力見えないような刺繍作品ではあったんですよ。

そういうことを知った時に、そのボエッティの作品の裏側にいた名前を知られていない刺繍職人たちになんとかして光を当てることができないかと考えたわけです。

世の中のアートヒストリーは、世に知られている有名なアーティストだけで構成されているように見えますが、その裏側では多くの名もなき作り手たちの決断もあったはずですし、そこに僕は今回フォーカスしたいと思ったんです。

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ーー実際に手を動かしている職人さんにフォーカスをしたかったんですね。

 

青山 先ほども触れたんですが、工芸とアートのヒエラルキーはどんどん埋まってきていると思うんですよね。

例えば10年ほど前にイギリスのグレイソン・ペリーという陶芸の作家さんがイギリスのコンテンポラリー・アーティストに与えられる一番権威ある賞、ターナー賞を受賞したんです。彼がターナー賞を獲得したことで、工芸とアートの距離がぐっと縮まったと思いますね。

 

作品は言葉以上に、作られた作品自体で評価するべきだと思います。

別の言い方をするならば物を作るという行為と物の持つ力をもう少し信じたい。 今回の展覧会でも、やはりそこを言いたかったというか。

例えば、このインクジェットプリントに刺繍した作品では、紙にプリントされた人物たちのイメージは http://rpmexpress.es/phonetray-free-call-blocker-uw 経年劣化や日に焼けてしまってやがて消えてしまうようなこともあると思うんですよ。

ただそうなっても、実際に縫われている部分は残っていくんじゃないかと予想しています。

この作品では物の強さと美しさを示唆したかったんですよね。

 

<第一回 終>協力:Mizuma Art Gallery