初対面の方にお会いした時、よほどの有名人でない限り「自己紹介」をお互いにする流れが一般的でしょう。

その時の印象はその後の付き合い方に大きく影響してくるものだと思います。

地位に関わらず、「親近感」が沸く方とそうでない方とは、共通する点があると思います。

それは、話のわかりやすさ。
自分の理解できるものに関してはきちんと相槌を打てますが、わからないものに関しては、内心、不安になりながら「ナルホド、、」などと頷く場合が多いわけです。
初対面ですから、様子をうかがってしまう場合がでてきてしまう。

それでは、どうしたら「親近感」がわくような伝え方ができるでしょうか。

私は、「かっこつけない」表現をすることがまず第一だと、最近読んでいる「土屋耕一のことばの遊び場」という本から考えます。

土屋耕一氏は資生堂の「君のひとみは10000ボルト」だったり、伊勢丹の「戻っておいで・私の時間」など、名コピーをいくつも残したコピーライター。

土屋氏が残した数々の文章が編集されたその本を読んでいると、「かっこつけないかっこよさ」というものについて語られています。

彼は、あるタクシー運転手の日報に書かれていた言葉を例にあげています。


本日、午後から雨 
スリップに注意
どうです。立派なものではありませんか。へんに調子のいいスローガンより、ずっと効果のある、しかもキリッと無駄のない表現です。キャッチフレーズはこの容量で作りたいものです。


自然体の表現、その人の持っている経験や、生活の規範がそのまま表現されている言葉遣い。

こういうものが本当の魅力のある言葉なのではないでしょうか。

そのままを出すことというのは、誇大や威勢とは無縁のすーっと入ってくる「空気のような」表現。

そういった言葉をさらっと出せる人というのは、いつの間にか、他人との心の距離が縮んでいるのではないかと思うのです。

oasis_sk

『ARTYOURS』のウェブ担当。
現在は、制作会社のデザイン課長。


大学ではスケボーをしながら表千家茶の湯同好会に所属。さらに学芸員の資格を取得するというやりたい事はとりあえずやってみる主義。

お店で日本酒を注がれている瞬間が最近一番の幸せ。