お盆になると、そこらかしこで聞こえる祭り囃子の音。

日本のこの時期を代表する文化として大小様々な形で根付いてきた「盆の祭り」そして、それと密接な関係にある「盆踊り」。

その「盆踊り」の中でも日本を代表する有名で歴史の深いものが、徳島の「阿波踊り」
先週じっくりと泊りがけで見に行ってきました。

祭り開催期間中は、徳島の街全体がとにもかくにもお祭りの雰囲気が満載。

信号は消え、道路は演舞場になり、街の機能を全て「阿波踊り仕様」に変えていく。
徳島の「阿波踊り」に対する本気さは並大抵の物ではありません。
(さらにテレビでもラジオ体操ならぬ阿波踊り体操というものが早朝からやっていました。)

阿波踊りが人を魅了する理由を考える上で、絶対に切り離せないのが、その「祭り囃子」。

一見単調な祭り囃子ですが、そのリズムは、聞く人間を誰でも「踊り子」に変える力を持っています。

シンプルな音に合わせて手と足を前に出す。
シンプルだからこその奥の深さもあるのですが、とりあえずは誰でも踊り始めることができる「とっつきやすさ」はあります。

そして単調であるからこそ、ずっと聴いていられるリズム。
一日中そのリズムが流れている街の中にいると、いつの間にかその街全体が一つの生き物になっているような錯覚を受けます。
街の中の全ての人間が「阿波のリズムにのって手足を運ぶ」ということに集中するその雰囲気。

まるで小学校の時に、無心で巨大な渦をプールの中の生徒全員で作った時のように。
個々の利益とは無縁の純粋な「気持ちよさ」に向かってみんなで流れを作っていく。

人間の魂の形を街全体で作っていくという非現実なイベントが「阿波踊り」の本性なのではないかと気づかせてもらった出来事でした。

oasis_sk

『ARTYOURS』のウェブ担当。
現在は、制作会社のデザイン課長。


大学ではスケボーをしながら表千家茶の湯同好会に所属。さらに学芸員の資格を取得するというやりたい事はとりあえずやってみる主義。

最近一番気に入っているものは、蚊取り線香の匂い。