タナカカツキ氏の「サ道」という著書を皆さんはご存知でしょうか。

茶の湯の「茶道」ではありません。
「サウナ」においての作法や気づきを、タナカ氏のサイケデリックなイラストとテキストで紹介しているのが「サ道」という本なのです。

「サウナに作法?気づき?」となるのもわかりますし、そもそも「サウナってむさ苦しそうだし、そんなに興味ない。」なんて声も上がりそう。

私も本を開くまでは、大してサウナに良いイメージを抱いてはおりませんでした。

ただその本のすごいところは、いつのまにかページをめくらせる魔力を持っているところ。

今まで本は「読む」モノだと思っていたのですが、勝手に本の内容が自分の中に「浸透する」とでもいうくらい内容がスラスラと入ってきます。

つまらない通勤電車に乗ったつもりが、いつの間にか、見たことのない急降下をするジェットコースターに変わっていくような感覚。

言葉の使い方。
挿絵のタイミング。
たまに入る見開きのマンガ。

全てにおいて、ものすごい良いタイミングで目に飛び込んできます。
気づけばあっという間に読了。

そして、サウナに行きたくなっている。
本当にすごい経験です。

私がそこで感じたのは、表現というのは「伝える技術」よりも「伝わる技術」が大事なのではないかという点。

どんなに綺麗で美しい言葉使いで伝えられた表現も、発する人の意思が伝わらなければただの記号です。

それよりも、一見雑で、素朴で、俗っぽい表現でも発信者の意思が「伝わる」言葉というのはじつに腑に落ちる。

誰かに「伝わる」ことを意識したものの作り方を「サ道」という本が教えてくれました。

oasis_sk

『ARTYOURS』のウェブ担当。
現在は、制作会社のデザイン課長。


大学ではスケボーをしながら表千家茶の湯同好会に所属。さらに学芸員の資格を取得するというやりたい事はとりあえずやってみる主義。

最近一番気に入っているものは、蚊取り線香の匂い。