アート作品を買うということ

 

ふと部屋の壁に目を留めると、そこにはお気に入りの作品が掛かっている。

そんな暮らしに憧れたことはないだろうか。

アート作品がある暮らしは、日常のささやかな喜びに溢れていて心地よいものだと思う。

世界トップレベルの展覧会来場者数を記録する日本だが、美術館に行くのが好きでも自宅にアート作品を飾っている人は決して多くない。

「高くて普通の人には買えないだろう」

「どこでどんな作品が売っているのかよくわからない」

なんとなくそんなイメージがあって、アート作品を買うことやアート作品自体に近寄りがたさを感じる人も多いのではないだろうか。

私が初めて自分で作品を買おうと思ったのは、職業柄たくさんの作品を見ていて、アート作品を買うということを身近に感じられる環境にいたことが大きかった。

この連載を通して少しでもアート作品を買うことを身近に感じてもらえたらと思う。

アート作品は誰にでも買える

 

私自身の初めての購入体験をお話すると、当時は会社員になったばかりで一人暮らしをしながらお金のやりくりを覚えはじめた頃だった。

そんな生活の中で買うことができたのは数万円の作品だったけれど、限られた予算の中でも好きな作家の作品を見つけることができたし、ようやく手に入れた作品を壁にかけるときは心が躍ったのを今でもよく覚えている。

実際にアート作品を買っている人の動機やバックグラウンドは様々だ。

とにかくアートが好きで憧れのアーティストの作品を購入する人、自宅やオフィスを飾るために作品を購入する人、資産として購入する人など。

資産家や事業家もいれば、サラリーマンコレクターや映画『ハーブ&ドロシー』のヴォーゲル夫妻のように自分たちのお給料の中から作品を買って楽しむ人たちもいる。

誰でもアート作品を買うことができるし、自分の予算内でお気に入りの作品を見つけることだってできるだろう。

ギャラリー、アートフェア、オークションなどアート作品が買える場所は意外と多くあるので、一度足を運んでみると面白いかもしれない。

画像出典元:https://www.flickr.com/photos/inucara/15291956457/

 

 

片山 亜希子/アートアドバイザー

2008年より美術品を売買する仕事に従事し、2015年までオークション会社に勤務。
リーマンショック後の激動のアートマーケットの中で、現代美術を中心とした数多くの作品に触れ、国内外の様々な顧客を相手に経験を積む。
現在は退職し、フリーとして活動中。
群馬県在住。

IMG_1918