2016/02/24〜2016/03/26の会期で岡本瑛里展が、東京都市ヶ谷にあるMIZUMA ART GALLERYで開催されました。
この展覧会のテーマに名付けられた「対流圏」は本来気象用語で地球の大気層のひとつであり、雲が発生し、雨や雪、雷が作りだされる世界のこと。
岡本さんが「生き物のエネルギーの循環のようなもの」と言っているように作品自体のエネルギーが常にうごめいて輪廻転生されているかのように展覧会を見ると感じられるのもそのせいかもしれない。
「内なる光」に導かれて、生きることを作品に描くそのちから強く躍動感あふれた作品についてインタビューして参りました。

是非ご一読ください。

岡本瑛里

1987 千葉県生まれ
2010 東京藝術大学絵画科油画専攻卒業
2010年のミヅマ・アクションでの初個展
2012 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画技法材料修了

生命エネルギーの循環を感じる

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ー今回の展覧会のタイトル『タイリュウケン(対流圏)』は、どういった意図ですか?

岡本 私も理科など全然詳しいわけではありませんが、大気圏の中に対流圏と分類されるところがあるようで。
地球上の水はほぼその中だけでぐるぐると移動しており、そこから出ていく水はごくわずかなのだそうです。
震災のときに水って本当に色々な役割を示したように思います。
sildenafil 50 mg for sale 原発の炉心を冷やしたり、核分裂を遅らせるのも水ですけれども、放射能を運ぶのも水。
best pharmacy viagra price on viagra 一方で人は飲み水を求めて給水車に並んだり、遠くからの水を買い占めたりする。なにより水は大津波として、たくさんの方の命を奪いました。
ホットスポットなどから分かる放射性物質の動きによって、雲がどう動いているのかが分かり、それによって水のグルグルとした循環を意識しました。
もともと、生命のエネルギーの循環のイメージには、今生きているものだけではなくて、死後幽霊のようにここらを漂っているものもあるはずだという意識が何となくあります。
そういう輪廻転生ではないけど、そのように循環する生命が水なくして生きられない存在であるならば、その存在する範囲もまた大気圏の中の、水が循環するところと同じ限られたところであるはずで。
そうしたら、対流圏というのは、今回の展覧会の主題を表わすのに、とてもしっくりくる言葉だなと思ったんです。

ー色とエネルギーで「グワーっ」ていうのが確かにピンとくるというか、「あぁ、確かにそれを感じる」っていうのは思いましたね。そこに出てくる人物とか動物とかっていうのは、何か関連性がある。

岡本 人物、動物を区別しないようにしています。密集させて描くときは、それぞれ全く等価のもの、かつ生きているもの全てが帯びているエネルギーの大きな流れとして描いています。
cialis free coupon 大きく登場する人物に限っては、今を生きている自分たちと同じような視点を持ったものとして描いていることが多いですね。
お能に、大概お坊さんなどの役で、異界にまみえる人物がワキとして登場しますが、あのような、現代の我々と同じ視点を持った存在です。
 
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ーある意味人とか動物と同じっていうことなんですか?

岡本 そうですね。実際に犬や馬などの動物と密に接して、共感し合えること、理解できないことを感じた経験によるところもありますが、手塚治虫の『ブッダ』にも影響を受けているかもしれませんね。
村娘スジャータが危篤になった時に、シッダルタが体を離れてしまったスジャータの魂を捕まえに行く場面があります。そこに人の魂も動物の魂も一緒くたに、一つのエネルギーの渦になっている様子が描かれていて。最近改めて読み返して、とても共感を得ました。
最近宗教とは、人間はそういった大きな存在と一緒に地球に住まわせてもらっている一存在に過ぎないんだ、ということを謙虚に自覚させるためにあるのかもしれないと思っています。

ーそれこそ、上も下もないよっていうことですよね。

岡本 上も下もないし、自分が上でもないし、下でもない。
そして、その流れを止める権利が人間にあるのかどうかということも言えてくると思います。

ー岡本さんの絵を見に来て、どう感じてほしいとか。どう見たら楽しめるとか。何かそういうのありますか?

岡本 特にはありません。それぞれに見ていただいて、感じたことを言って頂いた時に、そういう受け取り方もできるんだと感じるのは、結構面白かったりします。
これはどういう絵だというのはありますが、あまり話さないですね。
でも、それこそ宗教画を描いてきた人たちや、日本でもルールに則って仏画を描いてきた人の絵にしても、その主題となっている確たる物語や思想世界ってこういうものですよ、というところ以外に感じるものがあるじゃないですか。
http://viagraonline-edstore.com/ ですから、作品からまずダイレクトに何を感じるのかを気にした方が面白いんじゃないかなと思いますが、強いて言うなら、人間が全ての生き物のなかで一番の存在ではないという考えが念頭にあって描かれている絵だということを気にして頂くとよいのかもしれません。

生きてこその美術

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—インターネット、岡本さんが思うアートとインターネットと、これからの関係性とか。

岡本 どちらにおいても実際に見るということが大切だと思います。インターネットは調べ事にはとても便利です。私自身ネットがなかったら、日航機墜落事故をきっかけに群馬県上野村へ取材に行くなどということもなかったかもしれませんし、そこで事故当時の様子や、この谷間の人々の歴史を旅館のおかみさんに伺ったり、ここで購入した端材に絵を描くということもなかったと思います。だから基本的なことですが、全てがネットで完結するようには絶対にしたくないと思っています。それは私がネットを通じてどこに何を見に行くかというのもそうですが、しばしば私の絵をネットで知って実際に見にきて下さった方が、実物から感じるものと、画像の上で感じるものが違った、見に来て良かった、と言って下さることからも感じます。インターネットというのは、あくまで実世界の入口なんだなと。

ー岡本さんにとって、アートとか美術とかっていうのは何でしょうか?

岡本 生きることから生じる、フィルターなんじゃないかなぁと。(笑)
過去の人たちの作品を見ているときに感じるその人の生き様のようなものを通して、では自分はどのようにしたいのか感じたり考えたりしていますが、日々の様々な出来事を受けながら、美術屋として生きるとはそういうことなのかと実感しながら生活しているような具合です。
生きていないと美術は出来ない(笑)

日々の意識したことも、しなかったことも含めて、その上にできた作品が、生きたことの結果なのではないかなと。

※参照情報
岡本瑛里展「対流圏」
http://sildenafil-20mgtablet.com/ 会期:2016/02/24 - 2016/03/26(会期終了しています。)
場所:ミヅマアートギャラリー
<第二回 完>